風景は目に見えるもの(visible)と目に見えないもの(invisible)との関わりによってできています。いずれもその土地に生きる人たちが環境と手を取り生み出し、これからも動き続けていくものです。そのため、この先の風景を考えることは私たちがどう生きるかを考えることだともいえます。
『深山へ』は、2019~2026年にかけて行った鳥取県智頭町の林業景観に関わる調査をもとに、その学びを調査報告と影絵を通じて語る試み。言葉で表しきれない自然と人間の関係を感性を通じて共有することで、それぞれの記憶のなかに残る風景を呼び起こします。
出演:惠谷浩子((独)国立文化財機構奈良文化財研究所文化遺産部景観研究室) 伊藤ミサ(影絵作家)
アートディレクター:永井佳子
惠谷浩子
風景学者、(独)国立文化財機構奈良文化財研究所景観研究室長。専門は造園学。都市から農村、山村、海村まで、全国各地の文化的景観の調査研究に携わり、土地の自然条件、暮らしの来歴と現在から、風景の特質と持続のあり方を探求する。造園大賞、日本造園学会田村剛賞、日本イコモス奨励賞を受賞。
伊藤 ミサ
切り絵、影絵作家、絵描き、イラストレーター。徳島県在住。作品展示をはじめ、書籍の装画、挿絵、型染めのための型紙制作を手掛けるほか、切り絵を生かしたインスタレーションや、影絵パフォーマンスの制作上演も行う。オリジナル作品には、命の循環や時間をテーマにした「まわるおはなし」がある。力づよさと繊細さをあわせもつ作品が高く評価されている。
永井佳子
キュレーター/プロデューサー。プロダクションレーベルMateria Prima主宰。素材や文化のルーツを探るフィールドワークを軸に、それぞれの風土や社会で育まれた文化の価値を伝えるための物語を紡ぎ、企画、制作や執筆を行う。京都の地下水を描くプロジェクト『Water Calling』企画制作、エルメス財団編『Savoir&Faire土』『Savoir&Faire金属』(岩波書店)編集協力。奈良文化財研究所景観研究室の取組にアートディレクターとして関わる。
協力:(独)国立文化財機構奈良文化財研究所文化遺産部景観研究室