© 平尾正志
© 平尾正志
「刺青」(しせい)は1910年に発表された谷崎潤一郎の処女作といわれる短編小説。
たきいみきが、清吉と女の二役を演じ分けながら、主従関係の変化を生演奏とともに表現します。
清吉は、駕籠の簾から女の美しい白い足がこぼれているのを見て、刺青を彫り理想の女に仕立てようと、麻酔で眠らせて巨大な女郎蜘蛛の刺青を彫る。
目覚めた娘は妖艶な魔性の女へと変貌し「お前さんは真っ先に私の肥料になったんだねえ」と囁き、朝日に輝く刺青を晒して去っていった。
作:谷崎潤一郎
構成・演出:山田裕幸
出演:たきいみき
作曲・演奏:島崎敦史
照明・美術・舞台監督:ナギケイスケ
たきいさんと、好きなときに、好きなことをやろうと思って、最初に上演したのが谷崎の「刺青」でした。
登場人物の主従関係の変化を、ひとりの役者でやることそのものが発明に近いと思っております。
鳥取のみなさんにお会いできることを楽しみにしています。
山田裕幸
たきいみき
高校生の頃より大阪発祥の伝統芸能・文楽に傾倒し、舞台芸術の道に進む。
2001年演出家宮城總のク・ナウカシアターカンパニーに入団、国内外で活動。
宮城氏が静岡県舞台芸術センター(SPAC)芸術監督就任により静岡へ移住、2006年よりSPAC制作作品の多くに出演。国内外の演出家やジャンルを超えた俳優と、多くのクリエーションに携わる。
2016年より京都在住。2017年よりフリーランスとして活動開始。
コロナ禍中には電話で俳優の生の朗読をお届けする企画「でんわde名作劇場」(SPAC)、「朗読でんわ劇場」を立ち上げる。文化庁や京都市の支援を得て、2020年から2021年で約300件のお客様への実績を残す。
また、2020~22年には朗読や演劇公演5本を企画・制作・演出・出演した。
現在、SPAC、演出家山田裕幸とのユニット「たきいとやまだの会」などで公演活動を行うほか、セルフプロデュース作品の制作も精力的に行っている。
俳優以外の活動では、国立文楽劇場HP 文楽かんげき日誌」に定期的に寄稿。また、在来馬の保全活動や和式馬術の研究にも携わり、馬との演劇作品作りにも着手している。
山田裕幸
劇団ユニークポイント代表。劇作家・演出家。藤枝ノ演劇祭フェスティバルディレクター、ひつじノ劇場芸術監督。
劇作家協会人材育成委員長として後進の育成にもかかわる。SPAC戯曲講座では講師も。