







本作は、アメリカから朝鮮にわたり、朝鮮の女性たちの教育と医療のために献身した女性医師ロゼッタ・シャーウッド・ホール(1865–1951)の日記をもとに、彼女の人生の“瞬間”に焦点を当てた作品である。
ロゼッタは、アメリカに生まれ、ペンシルベニア女子医科大学を卒業した後、朝鮮に派遣され、そこで最初のハングル点字の開発や多くの病院の設立など、大きな功績を残した。彼女は、障害や性別、人種や年齢による差別や先入観に立ち向かい、医師として病を治療しながら、宗教や政治の枠を越えた宣教活動を行ったのである。
物語は、宣教師になると決めた子ども時代から、結婚、韓国での活動の始まり、そして娘と夫を失った後の苦悩と挫折、絶望の中での選択までを、日記のように時系列で描いていく。
この作品は、アメリカのリビング・シアターと、韓国の劇工作所魔方陣の俳優たちによる共同制作作品で、舞台上のすべての俳優が同時に「ロゼッタ」というひとりの人物を演じるというユニークな試みで上演される。また、各シーンの緊張感を高める打楽器の演出にが異質でありながらも観客を舞台に引き込んでいく。
企画/配給:チョ・ジョンホ パク・ソヒョン
プロデューサー:Lee Y.chan
作・演出:Yossef K.
チェロ:Big Violin Player
ピアノ・ギター:キム・ジョンハン
パーカッション:キム・ジュニョン
舞台デザイン:ブラックダック
照明デザイン:イ・スンホ
音響デザイン:ナム・サンホン
衣装デザイン:イ・シネ
メイクデザイン:ソク・ピルソン
音楽:チャン・ドヒョク Big Violin Player
舞台監督:クァク・ヨンミン
照明監督:キム・ギョンホ
制作PD:キム・ミョンファ キム・ジナ チョ・ヒョンソ
協力プロデューサー:コ・ガンミン
演出助手:ソン・ジウン チョン・モンギュン
舞台助監督:チョン・モンギュン
衣装制作:C&L キム・ジュウォン イ・ソヨン チョ・スンジ キム・ナムジュン バン・スンレ イ・ギルスク
広報写真:ジュンヨル
上演写真:バン・ヨンムン
出演:キム・ソンリョン コ・インベ キョン・ミンソン ウォン・ギョンシク イ・ギョング キム・ハリ キム・ソウォン パク・ヨンミン
こんにちは。『ロゼッタ』の劇作・演出をつとめるヨセフ・Kです。
『ロゼッタ』という作品は、異国の地・朝鮮で生きたロゼッタ・シャーウッド・ホールという女性の生涯を描いた物語です。24歳という若さで病に苦しむ人々に手を差し伸べた彼女の人生には、国境を越えてあらゆる人々を一つにする力があると信じています。
この作品の中のあらゆる瞬間は、国家のためではなく、病気に苦しむ人々のために純粋に尽くした、彼女の献身的な愛の瞬間なのです。
この小さな作品によって、「無条件に誰か愛することができる」という思いを届けられたら幸いです。そして、あなたが劇場から帰るとき、あなたの大切な誰かを抱きしめてあげたくなる-そんな気持ちになってもらえたら、これ以上の喜びはありません。
このような素晴らしい演劇祭にご招待いただけたこと、大変光栄に思うと同時に、心から感謝いたします。
愛をこめて
Yossef K.
イエロー・ボム
演劇、ミュージカル、舞踊、伝統文化、音楽、ファッションなど様々な国際制作や文化的事業に精通したクリエイターや企画者を有する、ソウルとニューヨークを拠点とする文化集団。企画・制作・マネジメント業務を通して、国内外での多様なジャンルのイベントや公演を成功させる国際的な企画制作会社として展開している。
劇工作所魔方陣
劇工作所魔方陣は、2005年作家兼演出家のコ・ソンウンが立ち上げた劇団である。
大衆的かつ創造的なレパートリー・シアターを目指しており、代表作に『灰闌記』、『私は光州に居なかった』、『駱駝箱』、『リア外伝』、『華流悲恋劇ホンド』、『アパルトモ(L'appartment)』、『カルロ・マクベス(Killbeth)』、『バイソンの月』などがある。
魔方陣とは、四方に並んだ数字の合計がいずれも同じ数になる精巧な進法のことを言う。俳優の感性と偏差にかかわらず、その全体の合計は常に同じであるという信念が盛り込まれている。
Yossef K.
アメリカとイギリスにおいて「パラダイムシフト」すなわち発想の転換というキーワードを常に用いて活動する演出家・作家であり、アヴァンギャルドな実験演劇から伝統的なシェイクスピア作品、商業ミュージカルまで、比類なき幅広い活動を展開するオールラウンドなアーティストである。



【サテライト会場】米子市公会堂・とりぎん文化会館・鳥取県立美術館